スバル XVハイブリッド 2.0i-L アイサイト 1年を経過してのインプレッション

2014年7月 6日

2013年5月に発売されたスバル独自のハイブリッド車、スバルXVハイブリッド。土日の買い物やたまの遠出が主なお役目ではありますが、1年を経過してのインプレッションを整理しておきます。

SUBARU XV HYBRID 2.0i-L EyeSight (スバルXVハイブリッド GAA-GPE)

スバルXVハイブリッド
  • 全長:4,450 全幅:1,780 全高:1,550
  • 車両重量:1,510kg
  • 最高出力:150PS(110kW)|13.6PS(10kW)
  • 最大トルク:20.0kg・m(196N・m)|6.6kg・m(65N・m)
  • 燃料消費率:20.0km/L(JC08モード)

《 スバルXVハイブリッドのエクステリア 》★★★★★

この車、外観は、インプレッサスポーツと同じで、タイヤが大径になり、フェンダー部分に樹脂製のオーバーフェンダーが加わり、車高が少し高くセッティングされているのですが、今風の街中SUVとして洗練された感じがして、ヨーロッパ車と並んでも遜色が無く(そう思わないとね)とても気に入っています。
加えて、パールホワイトの車体色に、フロントバンパーパネルと、リヤバンパーパネルのシルバー色がアクセントになってくれています。このパネル、単にデザイン性を求めるだけですが、コンパクトSUVとして、エクステリアのいい印象になっていると思っています。

実用性の無いものが他にも付いています。それは、カタログに「フロントフォグランプ」と記載されている補助灯なんですが、これ、フォグランプではありません。ただの懐中電灯です。雨の日などの濡れた路面を照らし出してくれるよう、イエローのフォグランプに変えたいんですが、LEDで、もっと性能のいいお安いのが出ないか...。^^

ちょっとお高かったですが、使い物になるLEDフォグバルブを見つけました。

あと、共通部品を使っていると思うので、スバル車全部に言える事だと思いますが...。大き目のサイドミラーを装着しているのに、視界が狭すぎます。
今まで、ワイドなルームミラーを装着していたので、あまり気にならなかったんだと思いますが、アイサイトが装着され、ワイドなルームミラーを装着できず、ノーマルなルームミラーとサイドミラー。この1年、頻繁に高速道路を利用してきましたが、隣のレーンを走っている斜め後方にいるはずの車が認知できず、2回ほど、ヒヤっ!とした事があります。

そこで、思い切って、PROVAというパーツメーカーのワイドミラーを装着してみました。

スバルXVハイブリッド サイドミラーの視界

防眩機能のあるブルーミラーにしましたが、両面テープでの貼り付けなので、熱線の機能が損ねられてしまいます。メーカーさん曰く、熱線機能については、70%ほどは確保できるとの事。ちょっと微妙な感じではありますが、志賀高原でもそんなにヒーテッドミラー使っていなかったので...。(^^ゞ
このサイドミラーにしてから、右側後方から追い抜いてくる車両について、サイドミラーから見えなくなる前に、目視で右側視界に車両が入ってくるので、死角はほとんどなくなったように思います。課題は、、、バイクなど、車両全長の短いものは、一瞬ですが、死角にはいってしまう事があります。目視確認などを怠らず、注意しないといけません。


《 スバルXVハイブリッドのインテリア 》★★★☆☆

SUVにしては、傾斜のきついAピラーに注意しながら運転席に乗り込むと、メーター内の3本の針が赤く輝き、ダッシュボードの中央奥にレイアウトされたマルチファンクションディスプレイがウエルカム表示。シートベルトを締め、握りやすい太さのハンドルを握ると、本皮がシッとりしてとてもいい感触。
ブレーキを踏み込み、エンジンスイッチのプッシュでエンジンに火が入り、各種メーター類やナビが動きはじめます。シフトレバーをDレンジに入れ......(^o^)
車に乗り込んだ際のこの一連の動きが「さぁ、これから走るぞ!」って気分にしてくれます。

スバルXVハイブリッド メーター周り

運転の楽しさと使いやすさを兼ね備えた運転席周りではあるんですが、メーター内の中央に配置されている白黒液晶画面がくせ者。燃料計を見失ってしまうと言うか...、目立たないため、燃料計に関心がいかなくなってしまいます。ハイブリッドだから燃料計なんて関係ないの? とも思ったりしましたが、新型のレボーグでは、スピードメーターの下に針式の燃料計が見やすくセットされていて、、、悔しいぞ。(--;)

わたしの場合、ドライビングポジションは、アップライトに座りたい方なんです。なので、寝転んだAピラーとアイサイトの出っ張りがになりの圧迫感を感じてしまいますが、運転中の視界は、ドアに設置された三角窓が死角をカバーし、アイサイトの出っ張りは慣れれば気にならなくなります。
ただ、アイサイトがあるため、サンバイザが小さい。


《 スバルXVハイブリッドの走行性能 》★★★★☆

スバルXVハイブリッド、スタート時のモタツキと、減速し、停止する直前に再加速する時のギクシャク感さえなければ文句なしなんですけど...。(-_-;)
スタートはブレーキから足を離せば、モーター駆動で少し車が動いてくれるので、やんわりアクセルを踏み込めば(スタート時はアクセル開度を18%以下にキープ)セルモーターが回らず車が走り出すので、エコドライブモード全快でスタートしてくれます。

元気にスタートしたければ、Sモードを選択。Sモードは、モーター走行がないため、停止中ブレーキから足を離すとセルモーターが回り、そのままアクセルをグィっと踏み込めば、モーターアシストされた力強い加速をしてくれます。
Iモード60km/h程度で巡航している時にSモードに切替えると、エンジン回転は1100回転位から約2000回転位に上がりますが、エンジンが軽く回ってくれるような感覚で、アクセルのON/OFFに敏感に反応するので、走行性能ががらりと変わります。
ただ、Iモードでもアクセルを踏み込んだ際、モータートルクが補助してくれるので、山坂道でも楽しい走りができるので、Sモードを使う事はほとんどありません。たまに、モーター駆動用バッテリーを充電したい時や、信号クランプリで使う程度ですね。(^^ゞ

山坂道を積極的に駆け抜けようとすると、減速時にパドルシフトを多用するのですが、どうもリニアトロニックのマニュアル5速設定が中途半端に感じてしまいますし、ハンドルと一緒に回るパドルシフトは使いにくいです。BPレガシィの固定パドルが使いやすかったなぁ~。

ハンドリングは、クイックで軽快。足回りもしっかりしているので、回頭性が良く、コーナーの途中からアクセル踏み込みトルクを掛けていっても、妙な挙動の変化は無く、心地よい横Gを感じながら、思い通りのラインを正確にトレースしながら走ってくれます。

スバルXVハイブリッド

《 スバルXVハイブリッドの乗り心地 》★★★☆☆

わたしのスバルXVは、225/50R18サイズのタイヤに変え、空気圧もちょっと高めにセッティングしているので、路面の小さな凹凸にコツコツと反応してしまいますが、不快な感覚ではありませんし、インプレッサスポーツに比べると、凹凸をやんわりイナシてくれるので、どちらかといえば、ゆったりとした乗り心地だと思います。
また、モーターや電池などハイブリッドのための機構を乗っけているため、1.5トンを超える巨漢になっている事が、乗り心地に、シットリとした安定感を持たせているんだと思います。

スバルXVハイブリッド 運転席周り

シート生地は、アルカンターラ/トリコットで、前車のフォレスタ(ブラックレーザー仕様)より肌触りがいいし、汗っかきのわたしにとって、快適です。

ただ、もう少し座面の厚みというか、、圧感というか、、、長時間座っているとお尻が痛くなり、座面の薄っぺらさを感じてしまいます。前車のフォレスタではこのような事はなかったんですが、基本構造がインプレッサスポーツなので、座面を厚くすると、室内高に影響するので、ホールド性を重視した設計なのか? でも、SUVってシートの快適性も重要だと思うんですけどね。
腰痛持ちのわたしは、座面のお尻の部分に低反発クッションをいれ、座布団を敷いています。


《 スバルXVハイブリッドの静粛性 》★★★★☆

スバルXVハイブリッド エンジンルーム

前車のSHフォレスタは、エンジン音だけでなく、タイヤがオールシーズンタイヤって事で、五月蝿すぎたんですが、このスバルXVは、エンジン音や、タイヤ、風きり音など、ほとんど気にならないレベルです。 レガシィ(BE、BP)、SHフォレスタとスバルのボクサー2000ccNAエンジンを乗り継いできましたが、こんなにも心地のいいエンジン音は初めてです。高原のワインディングロードでは、このエンジン音が走りそのものを楽しくしてくれるので、とても気に入っています。

スバルのリニアトロニックを採用したエクシーガーを試乗した時に、ヒューン、ヒューンって音が気になっていたんですが、このスバルXV、ぜんぜん気になりません。窓を締め切り、エアコン、オーディオをOFFにし、聞き耳を立てていても聞こえないんだから、ひょっとしたら車の問題でなく、わたしの耳の老化現象で高音域が聞き取れなくなってきたのかもです。。。ヤバい!(^^;)

また、新車から500kmも走行せず、前車のフォレスタに装着していたフィンタイプ軽量アルミ+ダンロップのルマン4(225/50R18)(1万キロほど走行)にはき替えたので、ロードノイズは新車時と比較すれば大きいんですが、逆に走りこんでも、この程度のロードノイズしか聞こえないっていう事は、とても静かなんだと思います。


《 スバルXVハイブリッドの燃費性能 》★★★★★

新車で下ろしたての頃、通勤で使っても、13.5km/L程度。長距離を走っても、14~15km/L程度しか伸びず、ハイブリッドとしては、燃費が悪い印象を持っていました。 でも、6000kmを超えた辺りから、若干燃費が良くなってきているようです。通勤で使うと、15.5km/L程度まで伸びるようになってきました。(エコドライブでなく、若干早めの走りをしてしまっていますが...。)

2.0Lガソリンエンジンだと、11~12km/L程度が普通(BPレガシィがそうでした)の燃費だと思うんですが、CVTによる定速走行時のエンジン回転を抑えた走行や、エンジンに負荷がかかる加速をモーターがアシストしてくれるので、燃費が改善され、15km/L程度までって考えると、妥当な線なのかもわかりません。
なんと言っても、本格フルタイム4駆。タイヤは225/50R18なんて幅広タイヤを装着していてこの燃費は、とても優れていると思います。


《 アイサイト 》★★★★☆

スバルのアイサイト。単なる非常ブレーキなどではなく、10km/hでも、100km/hでも、前車との車間距離を把握し、衝突せずに止まれるようにブレーキをかけてくれます。
スバルでは、「30km/h以下であれば確実に衝突せず止まれる」と言っていますが、実際には、50~60km/h程度でも止まれるような感じです。だって、追従走行中、信号で停止する際など、様々な速度から、前車に対し、きっちり車間距離を確保して止まってくれますもん。

[静止した物に対する緊急ブレーキとしての反応については、30km/h以下でないとムリなのかも判りません。(2015年1月2日追記)]

他に、バイクや、自転車、歩行者などにもしっかり反応してくれるので、自転車のふらつきや、歩行者の急な飛び出しなどで動作し、ダメージを軽減してくれるんだろうと思います。気を抜くわけじゃないんですが、これって、大きな安心感ですょね。
なぜ、保険の掛け金、安くならないんでしょうね。

これ、全車速追従機能付きクルーズコントロール。
実は、びわ湖湖周道路で、瀬田の辺りから近江八幡の辺りまで、アクセル操作無しで走りきってくれる優れもの。お仕事で疲れた帰り道、気を抜いているんではないのですが楽チンです。

  1. 車間距離を(長・中・短)の中で短めにセット。
  2. 走り出し、40km/h以上になったらで、クルーズコントロールをセット。
  3. RESスイッチで、設定車速を65km/hにセット。(車が流れている速度より若干速め)
  4. 走行モードがECO-Cになっているか確認。

これで、OKです。
あとは、前車の後ろをひたすら着いていきます。走行モードをECO-Cにするのは、燃費を稼ぐのでなく、加減速の度合いを緩やかにするためで、Iモードの方がモーター走行を多用するように思います。

交差点で停止したら、3秒位でブザーが鳴りブレーキが解除されるので、ドライバーがブレーキを踏まないとダメですが、再スタートでは、ブレーキから足を離すと、モーター駆動で車が動き出し、RESスイッチをONすると、止まる前のモードに再セットされ、前車に追従してスムーズに加速しはじめます。

コレは、皆さんにお勧めしているわけではありません。このような操作をされる場合は、自己責任でお願いいたします。

怖いのは、前車が減速しながら右折レーンに入っていく時。人が判断すると、直進レーンが開くので少々接近しても、減速しないんですが、直進レーンが完全に開くまで前車が存在しているので、車間距離が無くなり、プリクラッシュブレーキに近い状態になることがあります。特に、前車が、右折レーン手前の安全地帯を通らず、車線どうりに走行すると急減速ブレーキが動作してしまいます。また、先頭を走っていて、対向車が右折する際や、左側の駐車場から自車の前を横切り、対向車線へ入る車など、、、自車との車間距離が不足すると判断するのか、これも、急ブレーキに近い状態になってしまうことが多いです。

前車に追従して走るという部分では、ほぼ、自動走行に近い状態ではあるようですが、現在の状態からの予測動作という部分が不足しているようです。 でも、この「追従して走る」というのは、高速道路で渋滞している状況や、自分が走るペースよりも遅い車の流れの場合、イライラせず楽チンドライブを楽しむ事ができる優れものです。

なぜ、スバルさんはこの辺りの事をもっと、もっと訴求しないのでしょう。親会社に遠慮しているのかな??


《 スバルXVハイブリッド 総評 》★★★★★

スバルXVハイブリッド 正面から

スバルXVハイブリッド。この1年、ほとんど見ることが無く、、そんなに売れてないの......。って思っていたんですが、最近になってようやく、見かけるようになってきました。(^^) ただ、どちらかと言えば、新型フォレスタの方が多く見るので、スバルXVハイブリッドって、やっぱ、そんなに売れていないのかも判らないです。
(スバルXVのTV-CMって何であんな造りなんでしょうね。スバルさん、売る気ないの?)

フォレスタとスバルXVで選択肢が分かれるとすれば、多分、室内の広さ。どうしても、XVは荷室が狭く、本格的なアウトドア志向の方々にとっては、選択肢から外れてしまうのかもですね。
わたしも、お店でスバルXVの現車を見た時の印象は、「小さっ!?」でした。

でも、夫婦2人、BPレガシィ、SHフォレスタと乗り継いできましたが、旅行や長距離ドライブなど荷室が溢れてしまうような事はありませんでした。何より自宅ガレージに入れた際のピッタリ感。街中や、スーパーの駐車場等で取り回ししやすいサイズがちょうどいいと思っています。問題は、荷室に折りたたみ自転車を2台積み込もうとすると、斜めにしないと入らない事かな。 ほんの50mmほど短いだけなので、リヤシートが前にスライドしてくれると折りたたみ自転車を真直ぐ積み込めるんですけどね。(^^)

エコなハイブリッド車である事を意識しすぎると、本来の走りがスポイルされてしまい、ギクシャクしてしまうようです。クイックなハンドリングフィールに、モーターでアシストされた2Lエンジンの瞬発力や、加速感。心地よいエンジン音まで加わり、車を操る楽しさが満載のいい車だと思います。
モーター走行で燃費命!ではなく、ターボでガンガン ぶっ飛び!でもなく、普通に、楽しく走る。そんな意味で、ドライブ好きな方にとって、とてもいいお勧めの車だと思います。

この1年乗ってきて、いろいろ気になる点もあるように思いますが、それ以上に、楽しく、軽快に走れ、降雨路面や雪道などでも不安を感じることなく、安心。燃費は15km/L以上。(満タン給油の航続距離は余裕の800km以上)
いろんな車を乗り継いできましたが、この車、本当に、お勧めの1台だと思います。

スバルXVハイブリッド