探訪　近江水の宝　重要文化的景観　海津・西浜・知内の水辺景観をゆく

海津地域は、ほとんど砂浜が無く、びわ湖から、石積み、街道筋と、古くからの風情を感じる事ができ、街道筋を歩いていると、２～３軒おきに、びわ湖に向かった路地があります。これは、街道（北国街道）により運ばれてきた北陸の物資をこの海津から船に乗せるための道で、辻子（ツジ）と言われているものだそうです。

湖北のひなびた漁村をイメージしてしまうんですが、北陸と京都（都）を結ぶ要所で、様々な物資が運ばれ、賑わっていた事がうかがえ、かなりの豪商の住まいらしき建物が続いていました。

そのためか、海津一体の石積みは、びわ湖の波を防ぐ防波堤のような感じでなく、どちらかと言うと、お城の石積みのようにキレイに加工され、積み上げられていて、砂浜がほとんど無いので、全体が港の岸壁のような雰囲気を感じました。

桜の回廊で有名な、海図大崎へと連なる東山からの湧水が多かったのか、海津地区には、野菜などを洗う事のできる「イケ」と言われる水場が残されていました。今は、この水場に、鯉が泳いでいましたが、奥様たちの情報交換の場として賑わっていたんだろうなぁ～。っていう雰囲気が漂ってました。

今の時代、、こんな水場を残しておくと、子供の遊び場になるから危険とか、自転車で落ちちゃう。なんてリスク管理が先行し、ガードレールや鉄柵で囲ってしまいそうなんですが、昔のまま残されているのは、重要文化的景観地区だからなのでしょうか...。^^

グッドタイミング。。。今回の散策中、おばあちゃんが、海津の浜で漬物たるのようなものを洗っておられました。こんなモノを洗って...　でも、お魚の餌になるんですょね。
昔は、洗濯物などもこのように洗っていたんだと思います。

知内川の河口では、ヤナ漁が行われていました。今の時期だと、アユかな...。
ヤナ漁の仕掛けと言うか...魚が登ってくる水路や、魚を取り込むカットリ池（？）がコンクリートでしっかりと整備されていたので、年間を通して使われているんだと思います。

ヤナ漁の仕掛けが設置されていた堤防に小さな小屋があり、アユの塩焼きとかを振舞ってくれる所かと思ったら、何と監視小屋だとか...。 3～4人のおじさんがおられ、何をするか判らないわたし達のような連中に、睨みを効かしてました。^^

このようなしっかりとした施設が整備されているのに、観光化されていないのがちょっと意外な感じでした。