探訪 近江水の宝 琵琶湖上をゆく -沖島-
2013年10月 6日
今回は、地元となる近江八幡市内の探訪。
普通なら、何度か行っている所なので、パスって感じですが、今回は、びわ湖上に浮かぶ「沖島」。何でも淡水湖の島に人が住んでいる所としては世界的にも珍しいとか......。
長命寺港から、観光船で散策スタート
近江八幡に居住し、半世紀以上になりますが、この沖島だけは今までに一度も行った事がありませんでしたので、案内が来たその日に申し込みをさせていただきました。かなりの人気プログラムだったようです。
さて、朝8:50に長命寺港に集合し、沖島に住まわれている方の観光船で一路、沖島に向かいました。(この船、昔、何度かチャーターさせていただき、浜大津の花火を見に行った事があったりします。) 通常、沖島に行こうとすれば、長命寺港じゃなく、国民休暇村(宮ヶ浜)方面にある堀切港から定期便がでているはず...。(行った事がないので、確証はないのですが...。)
さすが、探訪。途中、船が停船し、進行方向に対し横を向いてしまったと思ったら......。
沖島を、この方向から見ると涅槃仏(お地蔵様)のように見えるとの事。 そういえば、そんな風に見えますね。湖上に寝そべり、浮かぶお地蔵様。何だかありがた実が薄れてしまいそう。(^.^)
でも、この形...、自宅の方からもこのような形で見えるんですが、わたしは小さい頃から、ここにドン・ガバチョなんかが住んでいる「ひょっこり・ひょうたん島」だと思い込んでました。(^^ゞ
沖島へ、発上陸
沖島漁港は、方角的には島の南側で、宮ヶ浜と対面するようにあるので、波も静かで、穏やかな漁村の風景と言ったところでしょうか。
何となく、この風景は、丹後半島方面の漁村の風景に見えませんか?
違うのは、塩の香りが全くしないことかな。
この沖島漁港から沖島内の散策がスタート。
《 沖島内の散策行程 》
沖島漁港 → 浄水場 → 奥津島神社 → おきしま資料館 → 沖島小学校 → 石切り場方面 → 西福寺(昼食) → 沖島漁港
沖島は、近江源氏の落ち武者が住みついた所とされ、ツアーガイドの方から様々な逸話や伝説ついて、お話をお伺いしながらの散策する事ができました。中でも、沖島の北側にある「石切り場」(石切跡)では、島を構成している良質な石英斑岩が切り出され、滋賀県内の様々な土木工事(琵琶湖疏水、南郷洗堰や鉄道工事)に活用されたようです。要は、重い石も、琵琶湖上を運ぶのは容易いって事ですね。
ガイドさんは、大阪城の石積みも...... と言われてましたが、ちょっと信じがたい面もありますが、近江八幡と言えば、豊臣家が治めていた土地である事から考えると、そうなのかもなぁ~~って感じです。(^^)
つれあいは、「こんな所でのんびり生活するのもいいかもなぁ~」って言ってましたが、自宅とほんの少ししか離れていないのに、ぜんぜん違った世界が広がっているので、ものすごく新鮮な感じを受けました。
でも、生活基盤が無いとダメですもんね。
今でも多くの方が琵琶湖の魚(鯉、フナ、ゴリなど)を採り生計を立てておられ...... でも、多くの若い方は、沖島に住んでいても、対岸の掘切港に自家用車を停めておられ、働きに行かれているって聞いた事がありますが、琵琶湖の漁業は、後継者不足って事です。ちなみに、港では、琵琶湖で取れる白身魚(ブラックバス)のコロッケが売られてましたが、今回の探訪参加者に大人気でした。
港の周辺で朽ちた軽トラがありましたが、島の平坦な土地に集落が広がっているので、島民の皆さんが「足」として使っておられるのは、三輪自転車。大きめの荷物も運べ、島内の狭い道もスイスイ走れるって事ですね。
三輪自転車の普及率は、日本一かも判りません。
沖島小学校の校庭からの風景
西国33所 31番札所 長命寺へ
昼食の後、沖島港を後にし、本日の一大イベントとなる長命寺への約800段の石段です。
イヤ、わたしも中学生の頃にこの階段を上がった事はありますが、以降、途中まで車で上がれる事をいい事に、下からまともに石段を上がった事はありませんでしたので、この年齢で......。主催者の方は、「自家用車で上がっても、タクシーで上がっても構いませんょ。」って言われてましたが、皆さん手を上げる方はおられませんでした。
これ、日本人の「右へなれ」、「みんな石段だからわたしも大丈夫」って安全バイアスなんですょね。(さすがに、石段をやめ、車道を登られた方はおられましたが。)
で、西国33箇所の札所となっているお寺(琵琶湖108箇所も)なので、多くの方が参拝され、立派なお寺ですが、今回、重要文化財となっている三重塔の屋根(こけら葺)の葺き替え工事が始まるって事で、荘厳な空気に包まれているはずの境内は工事現場と化してました。
しかし、そのおかげで、三重塔の1階部分の屋根の部分まで上がらせていただく事ができました。
まずは、本堂の内陣に入らせて頂き、ご住職から、長命寺の人となりについて、面白おかしくお伺いし、ご覧のように滋賀県の文化財保護課で用意されたヘルメットをお借りし、工事現場に侵入......。
滋賀県では、このような重要文化財の修復事業などについて、工事現場の見学会や、説明会を実施されているようで、長命寺の三重塔の修復については今回の探訪が第1回目の現場説明会との事でした。
この修理現場の特別現場見学会は、11月17日に実施されるとの事で、詳細は、後日ホームページで公開されるとの事です。
このように三重塔を間近で見られる事もスゴイと思うんですが、普通なら、見ることのできない三重塔上部からの境内が見られるというのも普通は無いので、とてもいい経験でした。
散策を終え
ここで、今回の探訪は終了。
半世紀以上も生活してきた地元、近江八幡の事なのに、何だかとっても遠い所へ行ったような感じ。 沖島を一周したり、もっといろいろ散策し、遊べるような施設が無いので、観光で生業を得る事は難しいのかも判りませんが、その分、俗世間化していないのがいいのかも判りませんね。
【今回の散策行程】
長命寺港 → 沖島漁港 → 浄水場 → 奥津島神社 → おきしま資料館 → 沖島小学校 → 石切り場方面 → 西福寺(昼食) → 沖島漁港 → 長命寺港 → 長命寺参拝道(石段) → 長命寺 → 長命寺参拝道(車道)→ 長命寺港